石見地方は神楽が盛んで、特に明治に入り神職舞が民間の舞手(現在のかたち)に移ると共に、石見各地に神楽の団体が次々と結成されて来ました。
現在石見地方から広島県にかけては、同じ形態を持つ神楽の団体が優に300に及び、これらの団体が一勢に使用するのが石見神楽面(技法分類=長浜面・市木面)であり、強靱な楮(コウゾウ)半紙で作られた和紙の面です。日本の各地で神楽は舞踊られますが、これほど多くの神楽の団体が一同に、和紙の面を使うのは大変めずらしく全国類を見ません。
その技法は、先ず粘土で面の原型を彫塑し、乾燥後、柿渋入りの糊で和紙を幾重にも張り合わせ、原型を一つ一つ壊して作ります。この漆工芸の中の「脱活乾漆」の技法を応用した和紙の面は、長浜人形に携わる人形師によって手がけられ、勇壮でテンポの速い石見神楽には、軽くて丈夫な和紙の面が最適であると、古くより浜田の地で製作されて来ました。
近年、神楽舞だけでなく、新築祝・記念品などの贈り物として、あるいは、魔除(天狗・般若面)・招福(厄除鍾馗・素戔鳴・えびす面)商売繁盛(天狗・白狐面)などの縁起物として需要が盛んになり、珍重されて居ります。

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